2012年5月10日木曜日

サダンガ(Sadanga)-2

「おなか、すいていません」
「いいから、ここへ来て食べなさい」と言ってくるおばさんもまた、
近所とも限らないサダンガの住人の一人に過ぎないのだ。

 おまえは一日遅かった、ともいわれた。
その辺じゅうに転がったレッドホース・ビールの空の大瓶をさして。
「でもジンはまだあるぞ」
というので、村長と彼の杯で少しだけ飲んだ。

三日三晩続いた宴が終わろうとしていた。
昨夜はダンスやら何やらで夜どうしだったという。
れいによってスピーカーを使った大音響の音楽で。
 

結婚式のセレモニーは教会ではなく、この幕の下で行われ
壮絶なパーティになだれこんだ...らしい。
用意されたブタ18頭、カラバオ2頭のうち
ブタ2頭だけ手付かずで余ったとか。

もちろん、飯、ビール・ジン・ブランデーの酒類、ソフトドリンク類。


かつて見た結婚式や葬式パーティでも見たことがない
肉を煮る大きな鍋が二つ。

近所までバーベキューのような臭いがしみているのは間違いなく、
犬たちは骨しゃぶり放題で、狂乱の世界なのだった。
(後ろは飯を炊く釜)

昨日、一昨日は、食べ物をもらいに来る人たちが長〜い列を作った。


ようやく片づけが始まった。


習慣を受け入れ、撒くようにして金を惜しまないカナダの大男。
「俺は幸せだ」

この実家も改築し、近所でも立派な家のひとつになった。

ハネムーンのあと、サダンガの新婦はカナダへ渡る。



幸福のシンボル、稲穂が室内に飾られていた


E-5+ZD14-35
(2012/05,Sadanga,Mountain Province,Philippines )