珠玉の昆虫標本
: 江戸から平成の昆虫研究を支えた東京大学秘蔵コレクション
矢後 勝也 (著, 編集), 須田 真一 (著), 山崎 剛史 (著)
東京大学出版会 (2019/3/18)
第1章 江戸~昭和初期(戦前)
武蔵石寿――日本最古の昆虫標本の作製者(矢後勝也)
佐々木忠次郎――近代養蚕学・農業害虫学の開祖(矢後勝也)
箕作佳吉――日本人最初の動物学教授(矢後勝也)
加藤正世――昆虫黄金期を築いたセミ博士(矢後勝也)
山階芳麿――山階鳥類研究所の創立者(山崎剛史)
第2章 昭和中期(戦後)~平成
五十嵐 邁――蝶類幼生期研究の大家(矢後勝也)
江田 茂――国内有数の大収集家(矢後勝也)
須田孫七――日本のファーブル(須田真一)
濱 正彦――信州の蝶聖(矢後勝也)
宮野浩二――西多摩の博物学者(矢後勝也)
白石浩次郎――平和・トンボ資料館館長(須田真一)
石川良輔――ハチ・オサムシ研究の巨匠(矢後勝也)
尾本惠市――二刀流の東京大学名誉教授(矢後勝也)
岸田泰則――日本蛾類学会会長(矢後勝也)
各研究家の、寄贈されたコレクションの一部の画像が、
小さく紹介してあるのだが、内容を示す注釈は、
全く不親切である。
ボクら、標本に携わってきた者なら、一つの箱に
ひとつの属がまとめられているのではなく、
違う属が並んでいる、その意図をある程度は
読み取ることができる。
だが、そのなかで重要なひとつひとつの標本の名前を
注釈に、必ずしも載せていない。
省略してしまった、その理由が分からない。
編集者の力量、知識、理解不足によるのだろう。
また、五十嵐 邁氏のコレクションのように、
標本は、美しく整形されるべき、と改めて思う。