木の棒で叩く竹棒に取り付けたのは、柑橘類の棘。
染料は、松の木を燃やしたススを溶いている。
太いムカデのパターンが全体のデザインの基になる。
草の茎を使って次の模様を下書きしている。
通訳をとうして、オドに質問した。
「パターンの組み合わせは、事前に考えるのか? 進めながらか ?」
答えは 「考えない。手の動くまま」
発注者が希望を述べたり、基本的なデザインを予め話し合う。
それをオドは、具体的に予想したり、
安易にアドリブで進めているわけでもない、
と通訳のレディが言った。
そのレディは、カナダ在住のフィリピン人で、タトゥーアーティスト。
オドを訪ねたのは初めてではなく、
前回分と今回の支払いについてオドと話してもいた。
オドの家の土間に、レディが運んで来たぶ厚いゴム板が数枚置いてあって、
オドのほか、ブットブットの人たちが彫ってあった。
そういえば、大型のハードカバーが一冊、
土間の真ん中に、無造作にあった。
Kalinga Tattoo(2010) Lars Krutak (著)の献本だろう。
裏表紙は、ワン・オドの横顔だ。
二階に飾られた切り抜きのいくつかは、この本のものだ。
本書については、後日また。
Olympus E-5 + ZD 14-35mm F2 SWD
Buscalan, Kalinga, Philippenes/ 2012