三本松のシルエット。
サカサカン村はポブラシオンの位置する山の頂上付近にあり、
スペイン支配時代には戦略上、
四方が見渡せて敵が攻撃しにくいこの場所に哨所が置かれていた。
『ジェンダーの民族誌-フィリピン・ボントックにおける女性と社会-』
Olympus E-M1mk2+ M12-100mmF4
Fokong Rice Terraces
Sacasacan in Sadanga, Mountain Province
Philippines, 2019.03
2019年の訪問についてだが、
ボントックを出たジープニーがサカサカンに到着すると、
そこにいた顔見知りが、村長の許可が出るまで、
動かないほうが良い、というので、従って、待った。
初対面の村長は、てきぱきと指示を出し、集会場に泊まって、
翌朝、はじめてフォコン棚田に出かけた。
撮影時間が足りないため、朝のジープニーを見送って、
徒歩でポブラシオンに下るつもりだったが、止められた。
ポブラシオンの村に入ってはいけない。
ペナルティが課せられるよ、と云う。
自分にブタ一頭分の現金は、無い。
結局、マイカーを持っていたお年寄りが、
自分をポブラシオンの Waiting shadeつまり、
村入り口の三叉路へ運び、
午後のポブラシオン発ジープニーが来て、
自分が乗車(屋根しか空いてなかった)するのを見届けた。
というか、ボクがトコトコ 村へ入ってしまわぬように
監視していたのだろう。
今なら、理由がわかる。
サダンガの忌休日だったに違いない。
"外部の者がイリ(地域共同体)内に入ったりすることができない"
という信仰上の決まりごとだ。
よそ者を受け入れて村に泊める場合、
食事も含めて、対価は受け取らない、誇り高い人たち。
サダンガだけは、
イフガオやカリンガそして同じマウンテン州の
ボントック(マリコン)とは違って、
制約が立ちはだかる地域、というわけだ。