2024年3月8日金曜日

チコ川ダムを渡る人々 3


もう一人、バナナを担ぐ青年

ダムの向こうの台地には、3集落と高校や複数の小中校がある。
幹線52号まで山道は7キロ以上あるが、一方、ダムは 15分余で渡れ、
Mountain Province - Kalinda Roadのそこで、
市街地行きのバスやジプニーを捕まえられる。

ダムの脇の灌漑システム。

Olympus E-5  + ZD 14-35mm F2 SWD
Tabuk, Kalinga, Philippenes/ 2012.4-5

オイルショック(1970年代に2度発生した)を受けて、
当時の専制的だったマルコス大統領の元、
チコ川に4つの発電ダム建設計画が持ち上がったが、
上流住民の強硬な反対により、灌漑を目的とした
チコ川ダム建設に止まって1980年代から運用されている。
しかし、その後、チコ川ダムのすぐ上流に
大きな発電用ダムを作る政府の構想が明らかになって、
反対運動がたかまった。
さらに、ドゥテルテ前政権が、中国の出資によって
計画を推し進める構えをみせると、
住民は中国人労働者の受け入れ等に強烈な反対を表した。
問題はまだまだ収まっていない。