2016年6月22日水曜日

鳩山 邦夫 (Kunio Hatoyama)



















信州 浅間山麓と東信の蝶

鳩山邦夫・小川原辰雄 (著)
東信の蝶刊行委員会・福本恭志・田下昌志・栗田貞多男 編著
 (2014)

本書は所持しているのですよ。

彼は一度だけ,日本蝶類学会第1回の総会で見た。
予定をオーバーし,長ーいスピーチを残して会場を後にした。
といっても,あの場には,昆虫界の蝶屋の実力者が幾人も
集っており,彼は,まあ,飾りのひとつだった。
(ちなみに,千葉南総でオサムシ掘り後に出席したボクといえば,
長靴姿だったが,誰一人として好奇の眼差しを向けなかった)

鳩山邦夫は,東南アジアを蝶屋をはじめ日本人虫屋が
新種や新亜種を発見したり記載したり,生活史を解明したり,
多数の標本を持ち帰ったり,世界を席巻したかのような,
昆虫界にとって夢のような時代の終わりになって
ボクら虫屋の瓦版に出現した,"あとからの人"だった。

ボクにとっては,日向博美氏のフィリピン人後妻の娘が
ネットに暴言・妄言を書き散らし,いわばゆすりをかけた
一件で,彼に深く同情を寄せたのを思い出す。
日向とはマニラで一度ならず複数で食事したことがあるので,
こう申すのだ。

「友人の友人はアルカイダ」...発言は,サービス心ゆえに滑ったのだ。
あれには続きがあったはずだ。
唐突ではあっても,全て話せば,日本人の心に届くストーリーがあった。

「友人」とは,日本人が知らないところの世界的冒険家の虫屋。
(ボクの弟にとっては大学の虫研で,1年だけ見知ったことがある先輩)
「友人の友人」は,多数の日本人虫屋が世話になった現地の採集ガイドだった。
"アルカイダ"に所属したのには深い事情があり....

やめとこか。


鳩山 邦夫
1948年9月13日-2016年6月21日(満67歳没)